公図(こうず)

一般に「公図」と呼ばれているものは、昭和35年の不動産登記法の改正に伴い廃止された旧土地台帳法の規定により登記所(法務局)に備えられていた土地台帳附属地図をさしている。現在登記所(法務局)で保管している「公図」と称されているものの大半は、明治初期に地券交付にあたって作製された地引絵図、地租改正に際して作製された字限地図及びこれを基本に作製された更正地図であるが、その保管が登記所(法務局)に移された後においては、土地の移動に伴う修正がなされ現在まで使用されてきているものである。
公図は、不動産登記法上の法的根拠を有する地図ではなく不動産の位置及び形状を確認するための参考図面として使用され、一般の取引はもちろん、訴訟上の証拠資料としても広く利用されているが、その作製方法及びその後の整備状況からしても地図としての精度は不完全なものである。
不動産登記法第14条4項では、「登記所には、第14条1項の規定により地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる」とされている。

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