岩松会長の2023年頭挨拶
~新技術の挑戦に向けて~
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
昨年6月に全測連の会長に就任しました。日頃の皆様のご理解とご支援の賜物です。
今後とも、東京都の代表であることを意識し、首都東京から全国に発信していくことを念頭に、引き続き協会活動に邁進して参ります。会員並びに関係機関の皆様にはこれまで同様、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
昨年もコロナ禍により協会活動の制約を余儀なくされましたが、リモート会議等により、総務、広報、技術委員会、更には基準点研究部会、働き方改革特別部会、災害対策特別部会を継続して参りました。この中で、技術委員会が開催した講習会は、Web方式を活用したこともあり、数多くの方に参加頂きました。これまでの集合研修では想像できない人数であったことは、働き方改革に向けて大変興味深いです。
例年、東京都(建設局、財務局)や関東地方整備局、都議会議員、東京都連(国会議員)の皆様には、測量設計業に関する意見交換の場を設けて頂いております。昨年は、デジタル技術等を活用した社会資本整備の促進、社会資本整備を支える測量設計業の経営安定及び担い手確保について意見を交換しました。
東京都では東京データプラットフォーム(TDPF)構築に向けた取組を推進しています。我々測量設計業は、公共施設情報のデジタル化や三次元データの構築など、社会資本整備の「はじまりの仕事」としてインフラ分野のDXを先導していきます。また、都民の安全・安心の守り手でもあり、災害時の初動対応、インフラの維持管理など、防災・減災、国土強靭化の一翼を担っています。一方、厳しい経営環境に晒され、高齢化が顕在化していることも大きな問題です。経営の安定を図るには、事業量の拡大や、品確法に基づく適正な予定価格と工期の設定が重要です。
測量設計業における担い手不足は深刻であり、特に若い技術者の不足が続いています。人材確保対策を早急に充実させていかねばなりません。今でも“キツイ”、“汚い”、“危険”というイメージが根強く残ります。これを脱却し、誇りと魅力、やりがいのある業種として、「新3K」である“給与”、“休暇”、“希望”に新たにリブランディング(Rebranding)していくことが必要です。また、就職する本人はもちろん、教育機関や保護者等に対しても丁寧な説明が必要であり、業界の今、そして未来を知って頂きたいと考えます。
近年は、先の読めないVUCA(ブーカ)の時代と言われています。また、従来技術と共に、DXに対応した人材の育成に向け、リスキリング(Reskilling)への取組が求められています。このため、“継続”と“改革”が益々重要になります。
2050年カーボンニュートラルやSDGsなど、社会が大きく変わる時です。予測困難な時代の変化を的確に捉えつつ、新たなスタイルに順応し、今後とも皆様と一緒に活動を進めて参ります。
本年も皆様の益々のご活躍とご健勝を祈念し、年頭のご挨拶といたします。
一般社団法人 東京都測量設計業協会 会長
(一般社団法人 全国測量設計業協会連合会 会長)
岩 松 俊 男