岩松会長の2024年頭挨拶

“継承”と“革新”

謹んで新春のお慶びを申し上げます。

会員並びに関係機関の皆様には常日頃御理解と御支援を賜わり厚く御礼申し上げます。本年も変わらぬ御指導御鞭撻の程宜しくお願い致します。
昨年、各種行事は対面開催が復活し、総務、広報、技術委員会、基準点研究部会、働き方改革特別部会、災害対策特別部会を恙無く遂行して参りました。また、東京都(建設局、財務局)や関東地方整備局、東京都議会議員、与党東京都連(国会議員)の皆様には、各々で意見交換の場を設けて頂きました。関係者の皆様には改めて感謝申し上げます。
東京都では、昨年10月から最低制限価格制度が本格実施されました。我々協会の地道な要望活動の成果であると認識しております。また、関東地方整備局では若手技術者の活用が見直され、より高く評価されるようになりました。しかし、若手技術者の不足は深刻であり、人材確保対策は待ったなしです。特に今年の4月以降は建設業や運送業等で「2024年問題」が生じる恐れがあり、測量設計業への影響を懸念しています。
人材確保については、学生や親御さんが測量設計業の仕事を知る機会の創出が必要です。このため、広報委員会でイメージアップに向けた動画配信を作成中です。また、総務委員会と働き方改革特別部会では若手交流会を開催し、魅力ある職場について議論を進めております。更に、発注者における適切な工期の設定と履行期限の平準化は必須であり、発注者に改善を要望して参ります。
東京都では、2030年に向けて“デジタルツイン実現プロジェクト”が進行しています。測量設計業は、公共施設情報のデジタル化や3次元データの構築など、新技術を駆使してデジタル化を先導しています。新技術については、毎年技術委員会において研修会を開催し、技術者の育成を図っています。一方で各企業は高度な専門能力を有する人材の確保・育成や、新技術に対応し得る設備投資が必要です。先ずは測量設計業の経営の安定を図る必要があり、このためには測量関連事業の拡大が不可欠です。
経済はインフレに動き、賃上げ政策や測量技術者単価は上昇したものの、ここ数年測量業務の発注額は横這いです。この状況から、経済の実態に応じた測量業務の発注額の増加を求めていきます。
昨年は、東京都内で大きな災害は無く、災害協定に基づく対応はありませんでした。しかし、災害はいつどこで、どのような規模で発生するかわかりません。今年も総務委員会と災害対策特別部会を中心に、災害対策訓練や、建コン、地質業団体と伴に災害対策セミナーを実施します。
新型コロナウィルス感染症対策に伴う行動制限が緩和され、巷は賑わいを取り戻し、インバウンド等により来訪する外国人も増えてきました。そして、恒例となっている基準点インフラツーリズムをはじめ、基準点研究部会の活動も活発化します。
本年も“継承”と“革新”を柱に、会員の皆様の御協力を得ながら、協会の発展に邁進して参ります。皆様の益々の御活躍と御健勝を祈念し、年頭の御挨拶と致します。

一般社団法人 東京都測量設計業協会 会長
(一般社団法人 全国測量設計業協会連合会 会長)

                                                 岩 松 俊 男